脳波検査

脳波検査

脳波検査はてんかんの診断と治療経過の判断に欠くことができない検査です。
てんかん発作の症状の変化や抗てんかん薬の効果による変化は脳波で経時的にみる必要が有るため外来通院では数ヶ月に1回の割合で、入院中なら1ヶ月に1回から2回は検査を行います。

 

脳波検査とは?

人間の脳は、考えている時だけではなく眠っている時にも活動しています。脳が活動すると、脳の中には微弱な電気が流れます。その脳細胞の電気的変化を頭皮上に付けた電極で、記録して脳神経の働きを調べる検査です。

検査では、何をするの?

22個の皿電極を頭全体につけます。更に首か肩などに筋電図用の皿電極を2個と、呼吸を調べるレスピレーターを鼻につけます。
静かな部屋で臨床検査技師の指示で、覚醒(起きている)時に、開閉眼(目を開けたり閉じたり)・光刺激(目より30cm上方でストロボスコープがピカピカと光ります)・過呼吸(4分間息を吸ったり吐いたり深呼吸をします)をした後覚醒脳波を20分位記録します。 眠りにくい方には、検査の初めに眠剤を服用して頂き眠っている記録を20分位検査した後、起こします。目を覚ます途中も記録して更に覚醒の状態の記録をとって検査は終了します。
脳の電気活動を電極からキャッチしているのであって、こちらから電気刺激を与える検査ではないので、ビリビリと電流を感じることはありませんし、繰り返し検査しても危険では有りませんのでご安心ください。

検査をすると、何がわかるの?

脳の活動の状態がわかります。てんかん特有の異常波は、発作が起きていない状態(発作間けつ時)でも、出現することが多いです。その為、検査の結果と、てんかんの症状、更に他のCT,MRIなどの検査結果と照らし合わせてんかんの発作型の診断を行い、適切な治療を行うことができます。しかし残念ながら、頭が良いか悪いかや、夢の中身まではわかりません。

検査は、どの位の時間がかかるの?

通常は、覚醒・睡眠時の記録をそれぞれ20分程度行い、50分前後で終わります。しかし、薬を使って眠らなければならない場合には、眠るまでの時間が余分にかかります。

なぜ眠らせてから電極を付けないの?

当脳波室では通常では眠って頂いてから脳波検査をする乳幼児・小児や、精神遅滞があって協力が得られなく脳波検査が難しい患者さまも眠ってから電極つけをすることを避けております。言い換えれば起きている状態で電極をつけて検査を開始しその途中から眠っていただく検査が中心です。
なぜなら異常波が出現しやすい時期は個々に異なるため、起きている時・うとうと・眠りに入った時・眠りから覚めるまで全ての経過の脳波が記録されるのが望ましいためです。そのため頭に包帯を巻いて電極が外れにくくして検査をします。

理由その1
基礎 波は安静覚醒・閉眼時の脳波で見ますが、協力を得られにくい患者さまで安静にできなくても記録中の中に基礎波を得られることが多々あります。

理由その2
欠神発作は意識が数秒から数十秒程度途切れて何事もなかった様に意識が戻る発作ですが、覚醒中でなければ発作の証明ができません。(過呼吸によって誘発されやすい。)
また前屈発作は頭部や上体が前に倒れる発作で、座位か立位での検査が必要であり、又点頭発作も家族に支えてもらい座位の状態で、頭部の前屈と同時に手・足が硬直する状態を確認できるのが望ましく入眠期や起きがけに起こりやすいため眠らせてからの検査では確認ができません。
乳幼児の複雑部分発作も覚醒中の検査をすることでより明らかになっております。
上記の発作がある場合に、乳幼児の場合はご家族に抱っこやおんぶしてもらうか、一人でベットかイスに腰かけた状態で覚醒中の検査をしながらします。また一般的に異常波はうとうとする時期に一番出現しやすいとされており、てんかん発作自体も出現しやすい傾向があるので眠りに入るところと眠りから起こすところも検査します。

睡眠薬を飲んだ方がよいの?

当院では通常はペントバルビタール(ラボナ)かトリクロリールシロップをのんでもらいます。
睡眠の深さは脳波上、ステージ1から4までの段階に分類されています。異常波が出現しやすいのは、うとうとするところからステージ1から2段階までに多く、大体うとうとし始めてから20~30分位までの状態を指します。
睡眠薬をのんで毎回同じような深さの眠りに入れるほうが、同じ条件で検査ができるため、前のデータと比較するのに役立つと考えます。しかし、検査となるとなかなか眠り難いため添い寝をするなどのご協力をお願いしております。

覚醒中の検査を行っていくと?

協力が得られにくい大人の患者さまも、最初には、状況によっては入室することさえ拒んだり、数人がかりで抑制して検査することも有りますが、何度か繰り返す内に検査に慣れ協力的になって 嫌がらなくなることが経験上多くありますので、検査が難しいとお嘆きのご家族の方ご安心ください。
熟睡状態の脳波は情報が得られなくなることが多いので入眠から20~30分経った時点で起こして検査を終了します。外来では50分から1時間程度の定期検査が主体ですが、入院検査ではこれに加えて長時間(期間)検査もします。

脳波検査をする時の注意点は?

なるべく付き添いの方と一緒に来院してください。(睡眠薬を服用した場合、副作用でふらつきが残ることがあるためです。)
本人が車を運転して来院しないようにして下さい。
検査前日はできるだけ洗髪をして、整髪料をつけないでおこし下さい(油や垢があると、微弱な電気活動をとらえにくくなります)。
睡眠時の検査はとても大切です。前夜は過眠にならないよう、少々寝不足気味にしておいでください。午後の検査の場合は、昼寝は控えてください。

入院したらどんな検査をするの?

てんかん発作をとらえる事はてんかん診断上非常に大切です。
発作の観察について、生活の中では発作の始まりを見落としてしまうことが良くあることですが、実はどこから始まりどこの部分へ拡がってゆきどんな動きがどのくらい続いたかという途中の状態をよく観察できているのが望ましいことです。
しかしながら突然起こるものであり、また夜間にのみ発作が出現するなど実際のところ観察はなかなか難しいのが実情だと言えます。
通常の脳波記録中にてんかん発作がつかまることは可能性が低いため、半日以上から数日にわたって連続で脳波検査を行う長時間(期間)検査という検査を行います。

トイレ以外は脳波検査室にこもりきりになりますが、部屋の中ではTVを見る・ゲームをする・本を読む、場合によっては他の患者さまとトランプや話をしたりしながら検査をします。
洗面も部屋の中で行えます。

脳波電極が外れないように頭には包帯を巻き更にネット包帯をかぶるため時間が経つにつれ頭が痒くなりちょっと大変です。

検査中は発作時の画像とその脳波が撮れるように必ずビデオで映しながら行います。
このように記録できた発作の画像とその脳波について、患者様本人はもちろん後から家族の方にも確認していただくことができます。
更に主治医のみではなく他の医師にも見てもらうことができ治療に役立つものであります。

脳波計はデジタル脳波計を使用し、ペーパーレス方式で記録、そのデータはネットワークで読むことができます。

各再生装置を各診察室に設置することにより、完全なペーパレス運用が可能となります。

さらに、これらをLAN経由で、ネットワークサーバや部門別脳波記録ファイルサーバーに接続することで、各脳波計(外来・入院)と外来および入院の診察室や他部門とつながっているので検査後はもちろん検査中にもリアルタイムで脳波データを読むことができ、また過去の検査データを引き出すことが容易に実行できます。

記録された全てのオリジナル脳波データは一定期間各部門別脳波記録ファイルサーバ内に保存され、編集用データとして各再生装置から参照できます。

このデータに医師の判読コメントなどを追加した後、一定期間を過ぎたものは最終的には記録媒体DVD-RAMに、永久保存されます。

診断上重要となる部分を切り出したイベント付きの脳波データが、長期にわたりネットワークサーバで各再生装置から常に参照できます。

本システムは、脳波検査室で記録された脳波とその患者情報を、ネットワークサーバーのリレーショナルデータベースで一元管理するものです。

すべての検査装置は、ネットワークサーバーにLANを通して接続されているので、逐次更新される検査データを簡単に照会することができます。